吠える兎

君はいつだって頭の中の生き物を
声にせず飼い慣らしてるから
僕は勘違いしてしまうんだ
君の獣はもう
死んだのかもしれないと

でもそうじゃないと気づくのは
いつだって手遅れになってからで
君の中にいる牙も、爪も、刃も
誰かを守るために眠ったままなこと
その誰かが僕であること

君は兎みたいな
見た目をしてるくせに
その声は狼のように
鋭くて的確に刺さる

君の遠吠えはいつも
僕を壊してしまう
君になら食べられてもかまわないよ

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